助動詞+have+過去分詞 — 過去への推量・後悔を読み分ける
「昨日疲れていたに違いない」と「もっと早く寝るべきだった」は、どちらも過去を振り返る表現です。ただし、前者は推量、後者は後悔。形だけで和訳を決めず、助動詞の意味と前後の文脈を組み合わせましょう。
対象は高校英文法を学ぶ方です。基本の形は助動詞の使い分け、動詞の変化は不規則動詞一覧で復習できます。
基本は「助動詞+have+過去分詞」
助動詞の後ろなので、主語が he / she でも have のままです。have の後ろは過去形ではなく過去分詞にします。
Mika must be tired now.
ミカは今、疲れているに違いない。→ 現在の状態への推量
Mika must have been tired yesterday.
ミカは昨日、疲れていたに違いない。→ 過去の状態への推量
高校英文法ではまず過去を振り返る用法を押さえます。ただし have+過去分詞が常に「現在より前」とは限りません。By next Friday, she will have finished the report.(来週の金曜日までには彼女は報告書を書き終えているでしょう)のように、未来の基準時までの完了も表せます。詳しくは過去完了形・未来完了形へ。
過去の推量:確信の強さと否定を確認する
| 形 | 意味 | 例文・訳 |
|---|---|---|
| must have+過去分詞 | 〜したに違いない | He must have missed the bus. 彼はバスに乗り遅れたに違いない。 |
| cannot / can't have+過去分詞 | 〜したはずがない | She can't have read this message yet. 彼女はまだこのメッセージを読んでいないはずだ。 |
| may / might have+過去分詞 | 〜したかもしれない | They might have taken a taxi. 彼らはタクシーに乗ったかもしれない。 |
| may / might not have+過去分詞 | 〜しなかったかもしれない | He may not have noticed the sign. 彼は標識に気づかなかったかもしれない。 |
can't have は否定内容への強い確信、may not have は否定内容の可能性です。may と might の違いを固定した確率の数字で覚える必要はありません。
過去の義務「〜しなければならなかった」は had to+原形。I had to leave early.(私は早く出発しなければならなかった)と、推量の He must have left early.(彼は早く出発したに違いない)は区別します。
should have:後悔・非難だけでなく期待も表す
過去の行動を振り返る場面では should have+過去分詞 は「〜すべきだったのに」、should not have+過去分詞 は「〜すべきではなかったのに」を表します。
- I should have saved the file before closing the app.
アプリを閉じる前にファイルを保存しておくべきだった。 - I shouldn't have stayed up so late.
あんなに遅くまで起きているべきではなかった。
一方、The train should have arrived by now. は「列車は今ごろ到着しているはずだ」という予想・期待にもなります。この文だけで「到着しなかった」と決めつけないようにしましょう。ought to have にも同様の用法があります。
could haveの2つの読み方とwould have
could have は文脈によって、過去の出来事への推量にも、実現しなかった可能性にもなります。
- I can't find my notebook. I could have left it in the classroom.
ノートが見つからない。教室に置いてきたのかもしれない。→ 実際に置いてきたかは不明 - I could have joined the trip, but I chose to stay home.
旅行に参加できたのに、家にいることを選んだ。→ 参加しなかったことが文脈で明確
If I had checked the map, I would have found the station.(地図を確認していたら、駅を見つけられただろう)の would have は、実際とは違う過去の条件の下での結果です。if節との組み合わせは仮定法過去・仮定法過去完了で学べます。
need not haveとdid not need toの違い
need not have+過去分詞 は「実際にはしたが、する必要はなかった」。短縮形は needn't have です。
I needn't have printed the tickets; the staff accepted the digital version.
チケットを印刷する必要はなかった。係員はデジタル版を受け付けてくれた。→ 印刷したが不要だった。
did not need to+原形 は「する必要がなかった」。実行したかどうかは、この形だけでは断定できません。
- I didn't need to print the tickets, so I didn't.
印刷する必要がなかったので、しなかった。 - I didn't need to print the tickets, but I did just in case.
印刷する必要はなかったが、念のため印刷した。
間違えやすい形を直す
- 誤:She must has left. → 正:She must have left.(助動詞の後ろは原形)
- 誤:He may have went home. → 正:He may have gone home.(goの過去分詞はgone)
- 誤:I should of called. → 正:I should have called.(should'veの音につられてofと書かない)
理解度チェック
Q1.「彼女は鍵をなくしたに違いない」を must を使って英語にしてください。
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She must have lost her key.
haveは原形、loseの過去分詞はlostです。
Q2. I may have (saw / seen) him at the library. 正しい形は?
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seen。haveの後ろは過去分詞です。「図書館で彼を見かけたかもしれない」の意味です。
Q3.「昨日もっと早く寝ればよかった」を should を使って英語にしてください。
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I should have gone to bed earlier yesterday.
過去の行動に対する後悔を表します。
Q4. The bus should have arrived by now. から、バスがまだ到着していないと断定できますか?
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断定できません。「今ごろ到着しているはずだ」という期待の読み方もあります。文脈を確認します。
Q5.「実際には予約したが、予約する必要はなかった」を needn't で表してください。
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I needn't have made a reservation.
needn't haveは実行済みの不要な行為を表します。