形式主語・形式目的語it — 後ろにある内容を見抜く
It is important to ask questions. のitは「それ」と訳しません。大切なのはto ask questions(質問すること)です。英語では長い主語や目的語の内容を後ろへ回し、その位置にitを置くことがあります。これが形式主語・形式目的語です。
文の骨組みが曖昧な場合は5文型と不定詞の3用法を先に確認すると読みやすくなります。
形式主語:長い主語の内容を後ろへ回す
To read this manual carefully is important.
この説明書を注意深く読むことは大切です。
It is important to read this manual carefully.
先にit is importantと述べ、何が大切なのかを後ろで説明します。
後ろのto不定詞が表す内容を、学校文法では真主語と呼びます。「It=何?」と前の文を探す前に、後ろに長い内容が置かれていないか確認しましょう。
that節・whether節が続く場合
- It is clear that the plan needs more time.
その計画にはもっと時間が必要なのは明らかです。→ that以下の内容をclearと評価 - It is uncertain whether the match will take place.
試合が行われるかどうかは不確かです。→ whether以下の「〜かどうか」が内容
that節には主語と動詞がそろっています。whetherなどで疑問の内容を表す節は間接疑問文も参照してください。
for+人とof+人:何を評価しているか
不定詞の動作をする人を示すとき、多くの場合は for+人+to不定詞 にします。人の行為からその人の親切さ・不注意などを評価する形容詞では of+人 を使います。
| 形 | 例文・訳 | 評価の対象 |
|---|---|---|
| It is difficult for A to ... | It is difficult for me to carry this desk alone. この机を1人で運ぶのは私には難しい。 | 動作の難しさ |
| It is kind of A to ... | It was kind of you to lend me your notes. ノートを貸してくれるなんて、あなたは親切でした。 | その人の親切さ |
of型の手がかりは、You were kind to lend me your notes. と人を主語にしても同じ評価を保てることです。代表的な形容詞はkind・careless・polite・foolish。単に「人が出てくるからof」とは判断しません。
形式目的語:find / think / make+it+補語
S+V+it+C+to不定詞 / that節の形では、itが目的語(O)、形容詞などが補語(C)です。長い内容をitでいったん受け、後ろに置きます。
I find it difficult to explain the rule.
そのルールを説明するのは難しいと感じます。
I(S)+find(V)+it(O)+difficult(C)+to explain the rule(itが受ける内容)
- I think it important to check the source.
情報源を確かめることが大切だと思います。→ think+it+important - The teacher made it clear that phones were not allowed.
先生は携帯電話の使用が認められないことを明確にしました。→ make+it+clear+that節 - We made it a rule to read for ten minutes every morning.
私たちは毎朝10分間読書することを習慣にしました。→ 補語が名詞句a ruleの例
think it importantはやや硬い表現です。会話では I think it is important to check the source. とも言えます。後者のitは、thinkの後ろの節の中で形式主語になっています。
このSVOCの形ではitを抜かないのがポイントです。I find difficult to explain the rule. ではなく I find it difficult to explain the rule. とします。ただし、すべてのto不定詞・that節の前にitが必要なわけではありません。I want to learn English. や I think that it is important. は別の文型です。
よく使う形と、書き換えできない場合
- It takes me twenty minutes to walk to school.
学校まで歩くのに20分かかります。→ It takes+人+時間+to不定詞 - It is no use arguing about the score now.
今、点数について言い争っても無駄です。→ no useの後ろは動名詞-ing
It is easy to read this book. は This book is easy to read. に書き換えられます。後者ではreadの目的語に当たるthis bookが主語になり、readの後ろにitを足しません。
ただし、どの形容詞でも同じ書き換えができるわけではありません。It is possible for him to come.(彼が来ることは可能です)を He is possible to come. にはできません。easy / difficult型をpossible / necessaryなどに機械的に当てはめないようにしましょう。
強調構文・代名詞・天候のitとの違い
- 形式主語:It is surprising that Emi won the race.
エミがレースに勝ったことは驚きです。→ that以下の内容全体への評価 - 強調構文:It was Emi that won the race.
レースに勝ったのはエミでした。→ Emiを強調し、Emi won the race. に戻せる - 前の名詞を指す代名詞:I bought a pen. It was cheap.
ペンを買いました。それは安かったです。→ itはa penを指す - 天候のit:It is raining.
雨が降っています。→ 後ろに真主語があるわけではない
強調構文では、It is / wasとthatを外し、強調された要素を元の位置へ戻すと文が成立するかを確認します。形容詞があるという見た目だけで判断せず、何を評価しているか・どの要素を強調しているかも読みましょう。発展例は強調構文It is ... thatへ。
理解度チェック
Q1. It is important to keep your promise. のitが受ける内容は?
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to keep your promise(約束を守ること)です。itを「それ」と訳して前の名詞を探す必要はありません。
Q2. It was careless (for / of) him to leave the window open. 正しい前置詞は?
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of。その行動から彼の不注意さを評価しています。「窓を開けたままにするなんて彼は不注意だった」の意味です。
Q3. I find (to remember / difficult / it) all these names. を並べ替えてください。
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I find it difficult to remember all these names.
itが形式目的語、difficultが補語。意味は「これらの名前を全部覚えるのは難しいと感じる」です。
Q4. It was Emi that won the race. のitは形式主語ですか?
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この文はEmiを強調する強調構文です。Emi won the race.に戻せます。that以下全体を評価する形式主語の文ではありません。
Q5. It is easy to read this book. を This book で始めて書き換えてください。
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This book is easy to read.
readの後ろにitを置きません。この書き換えをpossibleなどすべての形容詞に使うことはできません。