不定詞(to + 動詞の原形) — 名詞的・形容詞的・副詞的用法
不定詞は to のうしろに動詞の原形 を置いた形で、中2〜中3で学びます。動詞の原形が入っているので動詞っぽい働きを残しつつ、文の中では 名詞・形容詞・副詞 のいずれかとして働きます。日本の教科書ではこの3つの働き方を順に 名詞的用法 / 形容詞的用法 / 副詞的用法 と呼びます。3つの違いを「文中のどこにいて、何を意味するか」で見分けるのがコツです。
この記事のポイント
- この記事で扱う to 不定詞の形は to + 動詞の原形。主語が3単現でも -s は付かない
- 名詞的用法(〜すること): 主語・目的語・補語になる
- 形容詞的用法(〜するための): 直前の名詞を修飾する
- 副詞的用法(〜するために / 〜して): 動詞・形容詞を修飾する
- want / hope / decide は 不定詞だけ、enjoy / finish / avoid は 動名詞だけを目的語にとる
不定詞の基本形 — to + 動詞の原形
この記事で扱う to 不定詞 の形は 「to + 動詞の原形」。文の主語や時制がどう変わっても、不定詞自体の形は変わりません。これは「不定(主語や時制に縛られない) 詞(語)」という名前の由来でもあります。(中学では let me try(やらせて) や help my father wash the car(父が車を洗うのを手伝う) のように、to を付けない原形不定詞も学びますが、ここでは取り上げません。)
I want to study English. — 私は英語を勉強したい。
She wants to study English. — 彼女は英語を勉強したい。(主語が3人称単数でも to study のまま)
They wanted to study English. — 彼らは英語を勉強したかった。(過去形でも to study のまま)
動詞の活用(-s や -ed)は 動詞 want のほうにだけ 起きて、不定詞 to study はずっと同じ形です。「to のうしろは原形」さえ守れば、難しい変化はありません。
名詞的用法 — 「〜すること」
不定詞のかたまりが 名詞のかわりに 文の中で働くタイプ。日本語訳は「〜すること」になります。文中での位置は次の3つ。
① 主語 (動詞の前)
To learn English is fun. — 英語を学ぶことは楽しい。
② 目的語 (動詞のうしろ)
I like to read books. — 私は本を読むことが好きだ。
She wants to become a doctor. — 彼女は医者になりたい(医者になることを欲している)。
③ 補語 (be 動詞のうしろで主語を説明)
My dream is to travel the world. — 私の夢は世界を旅することだ。
不定詞をよくとる動詞
「これから〜したい/する予定」 という未来っぽい意味の動詞は、不定詞を目的語にとる傾向があります。
- want to do — 〜したい
- hope to do — 〜することを望む
- decide to do — 〜することに決める
- plan to do — 〜する計画だ
- need to do — 〜する必要がある
- try to do — 〜しようとする (try doing は「試しに〜してみる」で別意味)
- promise to do — 〜すると約束する
💡 主語が長くなるときは、形式主語 it を使って It is fun to learn English. と書き直すのが自然です(中3でも扱う重要な形)。
形容詞的用法 — 「〜するための」「〜すべき」
不定詞が 直前の名詞 (または something cold のような「代名詞 + 形容詞」のまとまり) を後ろから説明する タイプ。日本語訳は「〜するための (名詞)」「〜すべき (名詞)」。日本語の語順とは 逆 で、英語では「名詞 + 不定詞」の順に並べます。
I have a lot of homework to do. — 私には やるべき宿題 がたくさんある。
Give me something to drink. — 何か飲むもの をください。
She has no time to sleep. — 彼女には 寝る時間 がない。
I want a book to read. — 私は 読むための本 がほしい。
something / anything / nothing のような -thing で終わる代名詞 は、形容詞や不定詞で修飾するときに 必ず後ろから 説明する決まりがあります: something cold to drink(何か冷たい飲みもの) のように形容詞 (cold) と不定詞 (to drink) を続けて並べる形も頻出です。
💡 見分け方: 不定詞のすぐ前に 名詞 があり、「〜するための・〜すべき + その名詞」と訳して意味が通るなら形容詞的用法。
副詞的用法 — 「〜するために」「〜して」
不定詞が 動詞や形容詞を修飾する タイプ。中学でまず押さえる代表的な意味は 「目的(〜するために)」 と 「感情の原因(〜して)」 の2つです。
in order to で「〜するために」を強調
目的の意味をはっきり示したいときは in order to + 動詞の原形 も使えます: I went to the library in order to study English.(英語を勉強するために図書館に行った)。意味は「to + 動詞」とほぼ同じですが、ややフォーマルになります。
💡 「何のために?」に答えていれば目的、感情を表す形容詞 (glad / sad / happy / surprised) のうしろなら原因。
3用法の見分け方 — 「何を説明しているか」で考える
位置だけで機械的に判定すると、I want to study.(want の目的語=名詞的用法) と I went there to study.(目的=副詞的用法) のように、不定詞の直前が動詞でも用法が分かれる場面で迷いやすいです。「不定詞のかたまりが文の中で何をしているか」 を考えるのが安全です。
| 用法 | 訳の目印 | 何を説明しているか |
|---|---|---|
| 名詞的 | 〜すること | 文の 主語・目的語・補語 として「何が? / 何を? / 何である?」に答える |
| 形容詞的 | 〜するための / 〜すべき | 直前の 名詞 について「どんな名詞?」に答える |
| 副詞的 | 〜するために / 〜して | 動詞・形容詞について「何のために? / なぜ?」に答える |
例えば I have something to eat. は、to eat が直前の something を「どんな?」と説明 → 形容詞的。I went there to eat. は、to eat が went を「何のために?」と説明 → 副詞的。I want to eat. は、to eat が want の目的語(=何を?) → 名詞的。
なお、中学範囲には It is easy for me to understand English.(形式主語 it) や I want you to help me.(want 人 to)、how to use(疑問詞 + to) のように、3用法の枠だけでは整理しきれない形もあります。これらは別パターンとして暗記するのが近道です。
不定詞と動名詞 — 動詞によって使い分ける
動詞のうしろに別の動詞の意味を続けるとき、不定詞 (to do) と 動名詞 (doing) のどちらを使うかは 動詞ごとに相性が決まっています。
| パターン | 代表的な動詞 | 目安 |
|---|---|---|
| 不定詞だけ | want / hope / decide / plan / promise | これから 未来の行動 を望む・決める |
| 動名詞だけ | enjoy / finish / mind / avoid / give up | 実際の行為や経験と結びつきやすい |
| 両方OK (意味はほぼ同じ) | like / love / start / begin / continue | どちらでも意味はほぼ同じ |
| 両方OK (意味が違う) | try / remember / forget / stop | try to do=しようとする / try doing=試しにやってみる など |
I want to play tennis. ⭕ / I want playing tennis. ❌ — want は不定詞だけ。
I enjoyed playing tennis. ⭕ / I enjoyed to play tennis. ❌ — enjoy は動名詞だけ。
I like to play tennis. / I like playing tennis. どちらも ⭕ — like は両方OK。
「両方OK (意味が違う)」グループは、中学では try to do「しようとする」をまず覚えればOK。詳しくは 動名詞の記事 でも整理しています。
よくある間違い
❌ I want to studying. → ⭕ I want to study.
to のうしろは 動詞の原形。-ing や -s が付いた形は使いません。
❌ She wants to studies English. → ⭕ She wants to study English.
主語が3人称単数で動詞の活用が必要なのは want のほうだけ。to のあとは原形のまま。
❌ I enjoyed to play tennis. → ⭕ I enjoyed playing tennis.
enjoy は 動名詞だけを目的語にとる動詞。finish, mind, give up なども同じ。
「読むための本がほしい」を表したいとき: ⭕ I want a book to read. / ⚠ I want to read a book. (英文は正しいが「本を読みたい」の意味)
「to read を 名詞 a book を後ろから説明」させたいときは、必ず 名詞 + 不定詞 の順に並べます。I want to read a book. は英語として正しいですが、「本を読みたい」(名詞的用法) で意味が変わります。
❌ I want cold something to drink. → ⭕ I want something cold to drink.
something / anything / nothing は 形容詞も後ろから 修飾。語順は「something + 形容詞 + 不定詞」。
英検・試験での出題パターン
- 英検4級〜3級: want to / like to / try to など名詞的用法の 定型表現 が空所補充で頻出。
例: I want ( ) a cake. ① make ② making ③ to make → 答え: ③ (want は不定詞だけ) - 英検3級: 副詞的用法 (目的) の整序問題。
例: 「私は本を買うために店に行った」→ I went to the shop to buy a book. - 英検3級〜準2級: 形容詞的用法(something to drink など)、特に -thing 代名詞の語順問題。
例: 「何か食べるもの」→ something to eat が自然。food は不可算名詞として使うことが多い。 - 英検準2級〜2級: 不定詞と動名詞の使い分け(enjoy / finish vs want / hope) が誤文訂正・空所補充で出る。
関連ページ
- 動名詞 (-ing) — 不定詞との使い分けはこちら
- 英語の助動詞 — 助動詞も「動詞の原形」を使う
- 英語の品詞の基本 — 名詞・形容詞・副詞の働きを再確認
- 英語の5文型 — 不定詞のかたまりがどの要素に当たるかを判別する
- 英検3級の英単語一覧 — 不定詞と相性のよい頻出動詞