to不定詞 と 動名詞 の違い — 目的語の使い分け
to不定詞(to + 動詞の原形) と 動名詞(動詞の ing 形) は、どちらも日本語に訳すと「〜すること」となる、似た顔をした2つの形です。けれども核イメージは違います。1文で言うと、to不定詞 = これから / 未実現、動名詞 = 一般的なこと / 経験・継続。さらに英語では、動詞によってどちらの形を目的語に取るかが決まっています。I want to swim. は OK でも I want swimming. は不可、I enjoy swimming. は OK でも I enjoy to swim. は不可。この記事では、高校・英検準2〜2級向けに、例文・対応表・よくある間違い・試験パターンまで整理します。
この記事のポイント
- to不定詞 = これから / 未実現 / 願望・計画・決定の中身
- 動名詞 = 一般的な行為 / 経験・継続 / 楽しさ・嫌悪の対象
- 動詞によって 取れる形が決まっている: want は to のみ、enjoy は 動名詞のみ
- remember / forget / try / stop / regret は両方取れるが 意味が変わる
- 英検準2〜2級・TOEIC Part 5 の 空所補充 で頻出のテーマ
結論:1文で言うと
to不定詞のみ を目的語に取る動詞: want / hope / decide / plan / expect / promise / agree / refuse / learn / choose など。
動名詞のみ を目的語に取る動詞: enjoy / finish / give up / mind / avoid / suggest / consider / practice / deny / postpone など。
両方取れるが意味が違う 動詞: remember / forget / try / stop / regret。
「to不定詞 = これから」「動名詞 = もう/一般的に」のイメージを土台に、動詞ごとに3分類のどこに入るか を覚えていくのが近道です。
to不定詞のみを取る動詞
これからすること、願望・計画・決定・約束 を表す動詞は to不定詞 を取ります。「まだ実現していない、これから向かう中身」を to が運んでくる、という核イメージです。代表的なのは want / hope / decide / plan / expect / promise / agree / refuse / learn / choose / wish / offer / fail / manage など。
I want to swim in the sea. — 海で泳ぎたい。[これからの願望]
She hopes to study abroad. — 彼女は留学したいと思っている。[希望]
We decided to move to Osaka. — 大阪に引っ越すことを決めた。[決定]
They plan to visit Kyoto next month. — 来月、京都を訪れる予定だ。[計画]
He promised to help me. — 彼は私を手伝うと約束した。[約束]
💡 want / hope / decide / plan / expect は まだやっていないこと を目的語に取る、と覚えてしまうのがおすすめ。「to = これから向かう矢印」の感覚です。
動名詞のみを取る動詞
一般的な行為そのもの や すでに始まっている・経験した活動 を表す動詞は 動名詞 を取ります。代表的なのは enjoy / finish / give up / mind / avoid / suggest / consider / practice / deny / postpone / admit / miss / imagine / keep など。「楽しむ・終える・避ける・延ばす」のように、未来に向かう矢印 ではなく 行為そのもの を扱う動詞だと考えると整理しやすいです。
I enjoy swimming in the sea. — 海で泳ぐのが楽しい。[一般的に楽しむ]
She finished reading the book. — 彼女はその本を読み終えた。[終了]
He gave up smoking. — 彼は喫煙をやめた。[断念・やめる]
Would you mind opening the window? — 窓を開けてもらえますか?[依頼]
You should avoid eating too much sugar. — 糖分を取りすぎないように。[回避]
She suggested going to the museum. — 彼女は美術館に行くことを提案した。[提案]
We practice speaking English every day. — 毎日英語を話す練習をしている。[練習・反復]
💡 暗記用の語呂合わせとして「メガフェプス (megafeps)」が有名 — mind / enjoy / give up / avoid / finish / escape / postpone / practice / stop, suggest。目的語としては動名詞のみを取るグループです。なお stop は目的語としては stop doing (〜するのをやめる) ですが、stop to do は「立ち止まって〜する」という別構造 (to は目的を表す副詞用法) として頻出 — 後述します。
両方取るが意味が違う動詞
remember / forget / try / regret は to不定詞 と 動名詞 のどちらも目的語に取れます。stop は目的語としては stop doing のみで、stop to do は「〜するために立ち止まる」を表す副詞的用法 (目的) の別構造です。いずれも形を切り替えると 意味がはっきり変わる ので注意。軸は to = これから / 動名詞 = 過去・経験 です。
remember
remember to do = これから〜するのを覚えている (忘れずに〜する)
remember doing = (過去に) 〜したことを覚えている
forget
forget to do = 〜するのを忘れる (やり忘れる)
forget doing = (過去に) 〜したことを忘れる
try
try to do = 〜しようとする (努力する)
try doing = 試しに〜してみる
I tried to open the box. — 箱を開けようとした (開いたかどうかは別)。
I tried opening the box. — 試しに箱を開けてみた (実際に開けた)。
💡 迷ったときは「to = まだ / 動名詞 = もう」で判定してみてください。remember to lock = まだ鍵をかけていない、remember locking = もうかけた、と整理できます。
使い分けの判断基準
動詞によって 取れる形が決まっている ので、まず動詞のグループを見て、両方取れる動詞なら 意味の違い で選ぶ、という順番で考えると安定します。
| 動詞のタイプ | 取れる形 | 意味のイメージ | 代表動詞 |
|---|---|---|---|
| 願望・計画・決定 | to不定詞のみ | これから / 未実現 | want / hope / decide / plan |
| 楽しむ・終える・避ける・提案 | 動名詞のみ | 一般的 / 経験・継続 | enjoy / finish / avoid / suggest |
| 記憶・試行・中断・後悔 | 両方 (意味が違う) | to = これから / ing = 過去・経験 | remember / forget / try / stop / regret |
| 両方取れて意味が大きく変わらない | 両方 (意味ほぼ同じ) | 試験文脈では大差なし (-ing は一般的な好み、to do は選択・習慣寄りのことも) | like / love / hate / start / begin |
like / love / hate / start / begin は両方取れて、しかも意味がほぼ変わらないグループ。試験では「絶対に to」「絶対に ing」のグループを優先して覚えるのがコスパが良いです。
よくある間違い
⭕ = 自然 / △ = 文法的には正しいが文脈次第で不自然 / ❌ = 文法的に誤り
❌ I enjoy to swim in the sea.
⭕ I enjoy swimming in the sea. — enjoy は動名詞のみ。to不定詞は取れません。「楽しむ」は「もう始まっている行為そのもの」を扱う動詞、と覚えるとミスを防げます。
❌ I want swimming in the sea.
⭕ I want to swim in the sea. — want は to不定詞のみ。「これからの願望」を扱う動詞なので、動名詞は取れません。
❌ She finished to read the book.
⭕ She finished reading the book. — finish も動名詞のみ。「終える」は「すでに進行していた行為」を対象にする動詞です。
△ Please remember locking the door. (これから鍵をかけてほしい場面で)
⭕ Please remember to lock the door. — remember to do = これから〜する、remember doing = 過去に〜した。出かける前の依頼なら to lock。「鍵をかけたかどうか覚えてる?」なら remember locking。
△ He stopped to smoke. (タバコをやめた、の意味で言いたい場面で)
⭕ He stopped smoking. — stop to do = 立ち止まって〜する、stop doing = 〜するのをやめる。「禁煙した」は stop smoking。stop to smoke は「(別のことをやめて) タバコを吸うために立ち止まった」になります。
❌ I look forward to see you.
⭕ I look forward to seeing you. — look forward to の to は 前置詞。前置詞のあとは動詞の原形ではなく 動名詞 です。be used to / be accustomed to / object to なども同じパターン。
練習問題
問1. 空所に最も自然なものを選びなさい。
I enjoyed ( ) with my friends last weekend.
① to talk ② talking ③ talk ④ talked
答えと解説を見る
答え: ②。enjoy は動名詞のみを取ります。to talk は不可。「楽しむ」は実際に進行した行為そのものを対象にする動詞、と覚えると安全です。
問2. 空所に最も自然なものを選びなさい。
Please remember ( ) the email before you leave the office.
① to send ② sending ③ send ④ sent
答えと解説を見る
答え: ①。「オフィスを出る前に 忘れずに メールを送ってください」という、これからすること を覚えていてほしい場面なので remember to do。remember sending だと「(過去に) 送ったことを覚えている」になり文脈に合いません。
手応えを試したい人は 語彙力診断 で自分のレベル帯をチェックしてみてください。
英検・試験での出題パターン
- 英検準2級: 「enjoy / finish / want / hope のあとは to / ing どっち?」型の 空所補充 が頻出。動詞ごとの分類を覚えていれば即答できます。
例: I want ( ) study English. ① to ② studying ③ studied → 答え: ① (want は to のみ) - 英検2級: remember / forget / stop / try の 意味の違い を文脈から判断させる問題が増えます。文の意味を取って「これから」か「過去」かを見分けるのがポイント。
例: Don't forget ( ) the door when you leave. ① locking ② to lock → 答え: ② (出るときに「忘れずに鍵をかけて」 = これから) - TOEIC Part 5: look forward to / be used to + 動名詞 のパターンが定番。to を前置詞だと見抜けるかが勝負どころです。
例: I look forward to ( ) you. ① see ② seeing → 答え: ② (to は前置詞なので動名詞) - 高校・英検準2〜2級レベル帯: えいたんごクイズの語彙力診断でも、enjoy / finish / want / hope / remember などは 準2〜2級 の頻出動詞。文法と例文をセットで押さえると効果的です。
すきま時間に えいたんごクイズの学習モード で、want / enjoy / finish / remember / try などの頻出動詞を例文の中で文法ごと覚えておくと、空所補充・並べかえ問題で安定して点が取れます。
関連ページ
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